雹(ひょう)による車の損害に車両保険を使えるか | 自動車保険

雹(ひょう)で車が傷ついたら車両保険使えるか

大粒の雹(ひょう)が降り、駐車場に停めていた車の窓やボディが傷ついた場合でも、車両保険で修理代は補償されるのでしょうか。

雹が降ってる

雹による損害にも車両保険は使えます。

 

大粒の雹が当たって車の窓ガラスが割れたり、ボディがへこんだりした場合でも、修理代金相当の金額を補償してもらうことができます。

 

ただし、一部の保険会社では車両保険の範囲を細かく設定できます。もし、自然災害の部分を対象外としていた場合、雹による損害は補償されませんので注意が必要です。

 

車両保険を使うと等級は?

雹による車両損害で車両保険を使用した場合、
翌年度の等級は1つ下がり、事故あり係数適用期間は1年加算されます。

 

雹以外の自然災害も補償

基本的に自然災害で車両保険の対象外となるのは、
地震」「噴火」「津波」の3つです。<注>

 

つまり、「台風」「大雪」「落雷」「竜巻」「高潮」など、上記の3つ以外の自然災害による損害は、車両保険の「一般型」や「エコノミー型」でも補償されますので、覚えておきましょう。

 

<注>
地震・噴火・津波による車両損害を補償する特約を提供している保険会社もあります。

 

保険金請求をしない人が多い雹による車両損害

雹による損害は自動車事故ではないため、補償対象外と考えて保険会社に報告しない人が意外と多いようです。

 

しかし、雹が降った際に、保険会社がその地域の車両保険契約者へ連絡をして、
損害の有無を確認してくれることはほとんどありません。

 

そのため、この知識をしっかりと覚え、
万が一の際には必ず保険会社に報告するようにしましょう。

 

また、過去に雹によって契約車両が損害を受けたにもかかわらず、保険金請求をしていない場合は、
今からでも間に合う可能性がありますので、保険会社に連絡してみましょう。

 

保険の時効は通常3年ですが、時効を超えていても補償対象となる場合もあります。

 

ただし、時間が経過すると損害状況の証明が難しくなるケースが多いため、
その点をクリアするのに手間がかかるかもしれません。
そのため、あらかじめその点も考慮しておきましょう。

 

雹(ひょう)で車が壊れるなんてことはあるのか??

通常、小さな雹であれば、人に当たってもケガの心配はほとんどなく、車に当たっても大きな損害が生じることは少ないでしょう。

 

しかし、稀に降る大きな雹の場合、人に当たれば負傷する恐れがあり、場合によっては死亡するリスクもあります。また、車が損傷する可能性も十分に考えられます。

 

過去の記録を調べてみると、大正6年6月29日に埼玉に降った雹は非常に大きかったようです。確認された中で最も大きなものはかぼちゃほどの大きさで、重さが3kg以上もあり、1kg前後のものも多数降ったため、かなりの被害が出たとされています。

 

また、2000年5月24日には北関東地方で大きな雹が降りました。大正6年ほどの規模ではなかったものの、梅の実程度のものが多く、大きなものではピンポン玉大やミカン大のものも確認されました。

 

さすがにこれだけ大きな雹が降った場合、人はもちろんのこと、車にも大きな損害が生じることも十分に考えられますね。

 

※2000年5月24日に千葉県に降ったピンポン玉大の雹(出典:熊谷地方気象台HP
2000年の千葉の雹

 

 

さらに、海外でも2022年にスペイン北東部のカタルーニャ州で10分間にわたって大粒の雹が降り、その際、頭に雹が当たった1歳8か月の女児が亡くなるという悲しい事故も起こりました。

 

 

オーストラリアで雹(ひょう)害による保険損失472億円

これは2014年に、保険毎日新聞に掲載されていたニュースです。
2014年11月27日にオーストラリアのブリスベンで破壊的な雹(ひょう)が降り、
それによる保険損失は同年12月4日時点で472億円(1豪ドル98円換算)を超えたとのこと。

 

そんなことが起きていたなんて全然知らなかったのですが、
ネットで検索してみると、その日の動画がいくつも見つかりました。

 

 

 

見てのとおり酷い状況でしたね。
車の窓は割れてるし、風もすごかったようで家の屋根が飛んでいたり、
小型飛行機やヘリコプターがひっくり返っていたりと凄まじい状態でした。

 

この雹(ひょう)により被害を受けた財物の所有者や車の所有者からは、
損害保険会社に対して保険金請求が殺到。

 

2014年12月4日午前9時の時点で68981件(うち自動車に関しては51472件)にもなり、
おそらく最終的には10億豪ドル(980億円)程度になるのではと予想されていました。
(その後、最終的にいくらになったのかニュースを見つけれず不明・・・)

 

こういった大きな損害が出た際に、
保険会社が保険金を支払うことができなくなる恐れがあります。

 

そこで、各保険会社はそのリスクに備えて、
自社だけで支払いきれない部分を他社に負担してもらうため、
保険の保険(再保険と言います)をかけています。
この雹害では、どうやらその再保険を利用せざるを得ない会社が出てくる可能性があるようです。

 

もし、人口が密集している東京でこんな雹害が起きたら、大変なことになるでしょうね。
ブリスベンの人口は約200万人ですが、東京は1300万人以上。
車や建物も段違いに多いため、想像を絶するような被害が発生する可能性があります。

 

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最終更新日:2024年11月8日