火山の噴火による車の損害でも車両保険は使えるのか
噴火による損害は補償対象外です。
火山の噴石によって車のボディが損傷したり、火砕流で車が流されて全損したりするなど、噴火による災害で生じた車の損害は、車両保険の補償対象にはなりません
また、被害を受けた車に搭乗していた人が死傷した場合でも、搭乗者に対する保険である人身傷害保険や搭乗者傷害保険は補償対象外です。
さらに、自動車保険に付帯しているロードサービスについても、噴火による損害で自走不能となった場合はサービスの対象外となります。
つまり、噴火による被害を受けた場合でも、基本的に自動車保険は適用されないということです。
なぜ噴火による損害は補償されないのかというと、噴火の規模によっては損害が莫大なものになり、保険会社が補償しきれないケースが考えられるからです。また、火山の噴火は非常に稀な出来事であるため、過去のデータから保険料を算出するための妥当な損害率を出すことが難しいという点も挙げられます。
なお、地震や津波による損害も噴火と同様に莫大な損害が発生する可能性があり、これらも頻繁には起こらないため、補償対象外とされています。
さらに、天災以外のケースとしては、福島原発事故のような放射能汚染も補償の対象外です。現在も放射能汚染により同原発周辺に放置されている車が多数あると考えられますが、それらも車両保険では補償されません。
地震・噴火・津波による損害も補償する特約
一部の保険会社では、地震・噴火・津波による損害を補償する特約を付帯することができます。
ただし、その多くは全損の場合に限られたり、車両保険や人身傷害保険と比較して補償額が少ないものです。
例えば、チューリッヒ保険の「地震等による車両全損一時金特約」では、車両が全損した場合に50万円<注1>が補償されます。また、「地震等による死亡一時金特約」は、搭乗者が死亡した場合に300万円を補償されます。
とはいえ、まったく補償されないよりは良いと思います。地震・噴火・津波による損害にも備えたいと考える方は、これらの特約を付帯できる保険会社を検討するのが良いでしょう。
<注1>車両保険金額が50万円未満の場合は車両保険金額と同額の補償になります。
参考:日本の主な火山の噴火
- 1974年6月・・・・桜島
- 1974年7月・・・・新潟焼山
- 1977年8月・・・・有珠山
- 1979年6月・・・・阿蘇山
- 1983年10月・・・・三宅島
- 1986年11月・・・・伊豆大島
- 1990年11月・・・・雲仙岳
- 2000年3月・・・・有珠山
- 2000年6月・・・・三宅島
その他の災害による損害について
最終更新日:2024年11月6日