車検切れの車で事故を起こしたら保険は使えるのか
まず、車検切れの車と分かっていたら、基本的にどこの保険会社でも契約してくれません。
でも、新規契約や車両入替の時くらいしか保険会社は車検証はチェックしませんし、保険期間中に車検が切れてしまった場合、保険会社もチェックすることができませんので、車検切れの車に保険がかかっているという状態はあり得ます。
ということで、車検切れの車で事故を起こしたら補償されるのかは気になるところですが、基本的には補償されます。特に車検切れというのは免責事項にはあたりませんので大丈夫なんですね。
ただし、対人賠償と対物賠償は問題ないのですが<注1>、人身傷害保険や車両保険のように、自分方の損害に対する保険に関しては、「重大な過失」があった場合は補償対象外となっていますので、この車検切れが「重大な過失」にあたるかが問題になってきます。
とはいえ、この「重大な過失」というのは、ほとんど故意に近いものと言えますので、なかなかこれにあたることはないと考えられます。
もしあるとすれば、車検切れしているのを知っているうえで運転して、車検の検査項目部分の整備不良が原因で事故が起きたようなケースでしょうか。
ただ、この「重大な過失」かどうかという判断はケースバイケースで、保険会社によっても考え方が変わってくると思うので、なんとも言えない部分があります。よって、自分方の損害に関しては補償されない可能性もあると考えてください。
<注1>車検切れということは、同時に自賠責保険も切れていることがほとんどです。対人賠償保険からは自賠責保険分(死亡:3000万円/後遺障害4000万円/傷害120万円)は補償されませんので、当然、その分は自賠責切れの車の運転者が自己負担する必要があります。
もし、運転者に支払能力がなかった場合、被害者は政府保障事業にて自賠責と同じ金額まで支払ってもらうことができます。もちろん、政府保障事業が加害者に代わって立て替えてくれるだけなので、加害者の支払責任がなくなるわけではありません。
車検切れで公道を走行するのは違法
保険が使えたとしても、当然ながら公道で車検切れの自動車を運転するのは違法なので、道路運送車両法違反により、以下の罰則があります。
- 6ヶ月以内の懲役または30万円以下の罰金
- 違反点数6点
また、車検切れ直後であれば、自賠責保険の期間は残っている可能性もありますが、
時間がたっているのであれば自賠責保険も切れている可能性が高いでしょう。
その場合は、自動車損害賠償保障法違反にもなりますので以下の罰則があります。
- 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
- 違反点数6点
これらは事故をおこさなくても同じです。
検問などで発覚した場合でも同じ罰則になります。
また、車検が切れていることに気づいていても、気づいていなかったとしても関係ありません。運転者にとって、車検が切れていないかチェックすることは義務ですからね。
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最終更新日:2019年3月7日