保険を使っていないのに、更新時に保険料が上がることはあるのか
一般的に、自動車保険は等級が上がれば、保険料が安くなっていくと考えられていますが、必ず安くなるというわけではなく、あくまでも等級による割引率が高くなるということなのです。
どういうことかというと、等級以外の要素も保険料には影響するため、等級による割引率が上がったとしても、他の要素の変更などにより、保険料が上がってしまうという現象も十分考えられるということなのです。
保険料上昇の要因についてはいくつか考えられますので、
代表的なものをいくつか紹介してみましょう。
料率の変更
「契約車両の型式」「使用目的」「走行距離」「免許の色」etc....
様々な要素を考慮した複雑な計算により、自動車保険の保険料は算出されています。
各項目には、過去の事故データを元に算出された「料率」と呼ばれる係数があります。
この料率を使って保険料の計算がされているのですのですが、
ずっとこの数字が変わらないということはなく、適宜見直しがされています。
よって、この数字が上がれば保険料は上昇し、
逆に下がれば保険料が安くなるという現象が起きる仕組みなのです。
特に保険料に大きく影響する「車の型式」の料率は毎年見直しがされており、
直近の数年間に事故が多い型式であれば、料率が上がりますし、
逆に事故が少なければ、料率が下がるということになるのです。
基本的には等級が上がれば、保険料も安くなるのですが、
この料率クラスの見直しが影響して、等級が上がっても、
保険料が高くなってしまうというケースが出てきてしまうのです。
ちなみに当然ながら、料率は上がるだけではなく下がることもあります。でも、それにより保険料が下がったとしても、ほとんどの人が等級アップにより安くなったと考えてしまうので、あまり目立たないようですね。
インターネット割引
イーデザイン損保やセゾン自動車のように、
1年目と2年目以降のインターネット割引の額が同じであれば問題ありませんが、
1年目と2年目以降の割引額を比較して、大きく開きがある保険会社の場合、
その差額が、等級アップによる割引額を上回ってしまうことがあります。
例えば、アクサダイレクトの場合、1年目の契約のインターネット割引額は、
保険料によって変わりますが、最高で1万円となります。
でも、継続時の割引は1000円だけになってしまうのです。
他のいろいろな要素も関係しますが、
等級アップによる保険料低下が9000円以下だった場合は、
この差額の影響により、結果的に全体の保険料はアップしてしまうのです。
新車割引の削除・免許の色の変更
更新時に補償内容や運転者条件の変更はしなくても、
車が古くなることにより、新車割引が削除されたり、
免許証の色がゴールドからブルーになったことで、ゴールド免許割引が削除され、
その分、保険料がアップしてしまうことも考えられます。
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参考までに。。
実はこの保険料上昇理由に関する質問は、
自動車保険の継続に関する最も多い質問の1つなんです。
いくら丁寧に説明したとしても、質問だけで終わらずに、「等級が上がったのに保険料が安くなるのはおかしいだろ!!」とクレームになるケースも多く、異動や継続を担当する者は対応に苦労するんですよね。
昔は等級が上がれば、保険料が安くなることがほとんどだったので、こういったクレームはなかなか発生しなかったのですが、保険の自由化以降、保険料の計算が複雑になって、こういった問題が多く発生するようになっているのが現状です。
各社の競争が激化することで、サービス向上している部分がかなり大きいのですが、
一方でこういった複雑化による弊害も出てきてしまっています。。
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最終更新日:2017年10月19日