事故の被害者のお見舞いは行くべきか
自動車保険のコールセンターでオペレーターをしていた頃に、「事故で他人にケガをさせてしまった場合、代わりにお見舞いに行ってもらえるんですか?」という質問を何度か受けたことがあります。
質問をしてくる人の心理としては、「自分が被害者と直接会うのは気まずいから、代わりに行ってくれないか?」ということかと思いますが、普通に考えて、それはどうでしょうかね。
保険会社の事故担当者は示談交渉の代理人を務めることになり、状況によっては被害者と会うこともあり得るので、それがお見舞いのような形になることも考えられるでしょう。
しかし、あくまでも自動車保険についてくるのは「示談交渉サービス」であって、
「謝罪代行サービス」ではないんです。
仮に保険会社の事故担当者がお見舞いに来てくれたとしても、
もし自分が被害者だった場合、加害者が見舞いに来ないことに対して不満を感じると思います。
実際、加害者本人が見舞いに来ないことで、
被害者が「誠意がない」と感じ、示談交渉が長引くことがよくあります。
昔は自動車保険に示談交渉サービスがついていなかったため、
こうした問題はあまり多くはありませんでした。
しかし、示談交渉サービスが導入されてから、
すべて保険会社が対応してくれるものだと考える加害者が増え、
事故後に一度も被害者と会わないケースが多くなりました。
その結果、事故担当者は示談交渉の長期化に苦労することが増えたと言われています。
もちろん、相手が危険な場合や
加害者自身がケガをしている場合など、
状況によっては加害者本人が出向くことが難しいこともあります。
しかし、普通は当たり前の礼儀として、本人がお見舞いに行くべきでしょう。
ちなみに、これは人身事故に限った話ではありません。
もし他人の物を壊してしまった場合も、他人に迷惑をかけたことに変わりはありません。
そのため、その場合にも、お詫びの連絡をすることが大切です。
ということで、
万が一他人に迷惑をかけてしまうような事故をおこしてしまった場合は、
事前に保険会社の事故担当者と、注意点やタイミングなどを相談したうえで、
できるだけ早く、お見舞いには行くようにしましょう。
なお、事故担当者からも言われるとは思いますが、
お見舞いに行った際に、示談に関わる話をしてはいけません。
相手から示談に関することを言われたら、保険会社に一任している旨を説明してください。
勝手になにかしらの口約束をしたり、念書を書くなどしてしまうと、
後々、大きなトラブルに発展する可能性が高くなりますので注意しましょう。
公開日:2017年12月22日
最終更新日:2024年11月28日
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最終更新日:2021年3月6日