ロードサービスで車を搬送。搭乗者はレッカー車に同乗できるか?
事故や故障により車が自力で走行できなくなった場合、自動車保険のロードサービスを利用することで、一定の距離内であれば修理工場などまで無料で車を運んでもらうことができます。(積み込みの際に特殊な作業が必要であれば、その費用がかかる可能性はあります)
では、車に乗っていた人はどうなるのでしょうか。実は、レッカー車(積載車)には同乗させてくれないので、現場に残されることになります。
もちろん、トラブル現場が山奥だったり、高速道路上のような危険な場所だった場合は例外です。近くの安全な場所までレッカー車(積載車)に同乗できます。
でも、そうでない場合は車だけ運んでもらうことになるのです。
そのため、現場からは交通機関などを利用して移動することになります。保険会社によっては、自宅や目的地までの交通費がロードサービスの対象になる場合もありますので、事前に保険会社に確認し、対象であれば請求手続きを行いましょう。
「せっかくなら、車に乗っていた人も一緒に運んでくれればいいのに」と思うかもしれません。
しかし、ロードサービス業者が保険料を払っているお客様を同乗させてしまうと、いくつかの問題が生じます。
まず、タクシーやバスと同様に「旅客自動車運送事業者」としての登録が必要とされる可能性があり、無許可での運送行為と解釈されることで法律に抵触するリスクがあります。
また、車を搬送するという通常よりリスクの高い状況で同乗させた場合、万が一事故が発生して同乗者が怪我等の被害に遭った際に、保険会社に賠償責任が発生する可能性もあります。
こうしたリスクを避けるため、保険会社は「基本的にレッカー車への同乗不可」というルールを設けているのです。
とはいえ、これは保険会社としての基本ルール。実際は現場に置いていかれてはどうしようもない・・・という状況もありますので、ケースバイケースでレッカー隊員の判断で同乗させてもらえることもあるようです。
JAFの場合は同乗が必要
JAFの場合は保険会社のロードサービスとは違い、搬送先までの同乗を求められます。
といっても、これはあくまでも目的地まで送迎してくれるわけではなく、「搬送先の修理工場まで一緒に着いてきてください」という意味の同乗のようです。
レッカー車に同乗できる人数は1〜2人ですから、自分の車の搭乗者がそれ以上いたら全員乗ることはできません。
また、「車は修理工場へ。自分たちは自宅まで送ってください」ということもできません。(もちろん車を自宅へ搬送する場合は自宅まで同乗OK)
ですが、ここで「JAFだって同乗させたら法律に抵触するのでは」という疑問が出てくると思います。
でも、どうやら問題はないようです。実は、JAFのような儲けを出すことが目的ではない非営利企業は、該当する法律の対象外なんだそうです。
最近は、JAFと提携している保険会社も増えています。
JAFの会員になっている場合、JAFと提携している保険会社で契約していれば、
ロードサービスのコールセンター経由で、JAFに出動してもらうことも可能です。
もし、JAF会員になっていて、搭乗者が1〜2名で搬送先までの同乗を希望するならば、自動車保険のロードサービスを通して、JAFを手配してもらうといいでしょう。
(JAFと提携している保険会社で契約していなければいけません)
もちろん、JAFを手配してもらったからといって、無料搬送距離が15kmだけにはならないのでご安心を。自動車保険の無料搬送距離+15km(JAF分)まで搬送してもらうことができます。
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※管理人の体験談※先日、某カーシェアリング会社で車を借りて、渋滞している首都高速(東京都)をノロノロと走行していたところ、突然ノッキング&エンジン警告灯点灯・・
幸い、数十メートル先に非常駐車帯があったのでそこに退避して、カーシェアリング会社経由でロードサービスを呼びました。
40分ほどでレッカー会社の積載車が到着して、手際良く5分ほどで車の積み込みは完了。自分はどこまで乗せてもらえるのかなと思ったら、やはり次のインターチェンジを出て、数百メートル走った駅の近くまででした。
隊員に聞いたところ、やはり基本的に同乗は不可だが、今回は高速上だったので、最寄りのインターチェンジを出たところまではOKとのことでした。
過去に私が自動車保険会社のロードサービス部門で働いていた時、お客さんに同様の説明をしていました。でも、実際にこうやって自分で体験してみると、あれって本当だったんだな(当たり前ですが)と妙に感心してしまいました。
※参考※
ちなみに引越し業者のトラックにも、客は同様の理由で基本的には同乗することができないようです。家具などを運ぶだけで、住人を一緒に新居まで乗せていくということができないのです。
公開日:2017年12月11日
最終更新日:2024年10月26日
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最終更新日:2020年11月17日