保険会社が倒産してしまったら自動車保険はどうなるのか
損害保険会社が破綻した場合、
損害保険契約者保護機構という組織が契約者を保護してくれます。
よって、破綻前はもちろん、破綻から3ヶ月以内に発生した事故については、
保険会社に代わってこの機構が補償を行います。
では、破綻から3ヶ月以降の事故はどうなるのでしょうか。もし破綻した保険会社を救済する会社が見つかれば、その会社が契約を引き継ぎ、通常通り補償を受けることができます。
一方、3ヶ月以内に救済保険会社が見つからない場合、損害保険契約者保護機構が破綻した会社の契約を全て引き受けます。ただし、この場合は事故を起こしても補償が80%しか受けられないため、該当する方は早めに解約し、他の保険会社に乗り換えることをお勧めします。
解約払戻金は80%だけ
上記の通り、事故の補償については100%保護されますが、破綻した保険会社の自動車保険を解約した場合の解約払戻金は80%となります。
つまり、破綻後に自動車保険を解約する場合、本来の払戻金が5万円であれば、保険契約者保護機構から4万円の払戻しを受けることになります。
また、自動車保険を保険期間途中で解約し、他の保険会社に乗り換えることも可能です。破綻した会社の契約を続けるよりも、払戻金が20%減額されたとしても、すぐに他の保険会社に乗り換える人も多いでしょう。
過去の損保会社の破綻
第一火災海上(2000年5月に破綻)
バブル崩壊後の資産の運用に失敗し、多額の損失を出し破綻。このときは、救済保険会社が決まらず、保険契約者保護機構がすべての契約を引き受けました。保護機構の負担額は約400億円だったそうです。
大成火災海上(2001年11月に破綻)
アメリカの同時テロにより、再保険を引き受けていた分の保険金支払いが
莫大な額になったことにより、398億円の債務超過となり破綻しました。
このときは、大成火災との合併が決まっていた
安田火災と日産火災が救済保険会社となりました。
その後、この2社が合併したことで生まれた損保ジャパンに
経営再建中の大成火災も合併しています。
最終更新日:2024年11月2日