火災による車の損害は車両保険で補償されるか | 自動車保険

火災による車の損害は車両保険の補償対象か

車が火災に巻き込まれたり、車自体が発火して燃えてしまった場合でも、車両保険を利用することはできるのでしょうか。

車の火災

火災による車の損害も、車両保険で補償を受けることが可能です。

 

車が火災に巻き込まれた場合や、車自体が発火して損害を受けた場合、車両保険種類が一般条件でもエコノミー型でも補償の対象となります。

 

車両保険と言えば、事故による車の損害を補償するものと思われがちですが、火災だけでなく、盗難落雷台風洪水、爆発などによる損害にも対応しています。

 

火災で車両保険を使ったら等級はどうなるか

火災による損害で車両保険を使った場合、翌年度の等級は1つ下がります。
また、事故有係数適用期間は1年プラスされます。

 

補償対象外となるケース

火災による車両損害がすべて補償対象となるわけではありません。

 

違法改造されている車両は補償の対象外です。また、レースやラリー等の競技や曲技での使用中(練習を含む)、あるいは競技や曲技が行われる場所での火災による損害も補償されません。

 

さらに、以下に該当する者の「故意」または「重大な過失」による損害も補償対象外です。

  1. 保険契約者、被保険者または保険金を受け取るべき者(注1)
  2. 所有権留保条項付売買契約に基づく被保険自動車の買主、または1年以上を期間とする貸借契約に基づく被保険自動車の借主(注1)
  3. 1および2に定める者の法定代理人
  4. 1および2に定める者の業務に従事中の使用人
  5. 1および2に定める者の父母、配偶者または子、ただし、被保険者または保険金を受け取るべき者に保険金を取得させる目的であった場合に限ります。

(注1)これらの者が法人である場合は、その理事、取締役または法人の業務を執行するその他の機関をいいます。

 

これらの人が「故意に」引き起こした火災については、補償の対象外とされています。もし補償してしまうと、簡単に保険金詐欺ができてしまう可能性があるためです。また、意図的に引き起こされた火災による損害まで補償するわけにはいきませんので、この点は当然の取り扱いとされています。(ただし、これらの者以外による放火は補償の対象となります)

 

「重大な過失」とは、以下のケースのように、ほんの少し注意を払えば有害な結果を避けられたにもかかわらず、その注意を怠った場合を指します。

 

  • 寝たばこの危険性を理解していながら、何の対策も講じず、漫然と喫煙を続けた結果、火災を引き起こした
  • 藁が散乱している倉庫内で喫煙し、吸い殻をそのまま捨てた結果、後に火災が発生
  • 石炭ストーブの残火のある灰をダンボール箱に捨てたため火災が発生
  • 石油ストーブを点けたまま、そのすぐ近くに蓋をしていないガソリン入りのビンを置き、ビンが倒れたことで火災が発生

 

車両保険では、故意による火災だけでなく、このような重大な過失によって発生した火災による損害も補償対象外とされています。

 

火災保険で車の損害も補償されるのでは?

自宅が火災に見舞われ、敷地内の駐車場に停めてあった車も焼失した場合でも、火災保険では車の損害まで補償してくれません。

 

火災保険は、住宅やその中にある家具などを補償するものであり、車の損害に対する備えは車両保険で行う必要があるのです。

 

もらい火であれば相手から賠償してもらえるのでは?

火災

他人の家などから出火してそれが燃え広がり、自分の車が損害を被った場合、火災を起こした人(失火者と言います)に賠償してもらえると考える方も多いでしょう。

 

しかし実は、失火責任法という法律があり、故意や重大な過失がない限り、火災によって他人の家や財物に損害が生じても、失火者は法律上、賠償責任を負わないことになっています。

 

失火責任法は明治32年に制定された古い法律です。当時は木造家屋が多く、火災が発生すると周りの家に燃え移ることが多い時代です。

 

燃え広がった分の被害をすべて失火者の責任とするのはあまりにも重いと考え、この法律が制定され、現在に至っています。

 

つまり、他人が起こした火災で自分の財物が損害を被った場合でも、失火者は賠償責任を負いません。そのため、損害を補償してもらうには、自分の保険でカバーするしかないということです(失火者の火災保険も利用できません)。

 

そう考えると、車両保険だけでなく、自分の家の損害に備えるためにも火災保険にもしっかり加入しておきたいところですね。

 

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最終更新日:2024年11月12日