米軍基地内の事故も自動車保険の補償対象になるか
米軍基地内での事故でも自動車保険は適用されます。
自動車保険の約款には、補償の適用範囲として「日本国内において生じた事故による損害」と明記されています。また、米軍基地内について補償対象外とする特別な記載はありません。
したがって、米軍基地内で発生した事故も「日本国内」での事故とみなされ、補償対象となります。
でも、「大使館の中は、日本の法律が及ばないので外国扱いになると聞いたことがある。米軍基地内も同様に扱われるのでは?」と思った人もいるのではないでしょうか。
たしかに大使館内は、治外法権により日本の法律が適用されません。ですが、大使館内が外国というわけでなく、単にその国が土地や建物を所有していたり借りているだけで、日本の領地であり日本国内になるのです。
米軍基地も同様で、日米地位協定により日本政府が米軍に使用許可を与えている土地。つまりは日本の領域となりますので自動車保険の適用対象となります。
ちなみに米軍基地内に治外法権はなく、基本的に日本の法律が適用されます。ただし、国際法の原則により、公務中の米軍人・軍属に日本の法律は適用されません。
米軍基地内には日本人も入れる
「そもそも、米軍基地内に日本人が車で入れるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、基地内に友人・知人・親族がいたり、基地内で勤務している場合、正規の手続きを踏むことで日本人でも車で入ることが可能です。
基地に入る際には、ゲートで身分証明書、車検証、自賠責保険証明書、任意保険の証券などの提示が求められます。任意保険証券が必要とされることからも、基地内で事故が発生した場合でも、自動車保険が適用されることが分かります。
また、駐留米軍関係者の私用車には、自賠責保険だけでなく、任意保険への加入も義務付けられています。そのため、万が一基地内で米軍関係者の車と事故を起こした場合でも、相手が無保険車である可能性は非常に低いでしょう。
参考:琉球新報「米軍関係者の任意自動車保険に関する加入義務化」
最終更新日:2024年11月16日