軽自動車の保険料は普通車よりも安いのか
軽自動車は普通車に比べて自動車税や重量税が安いだけでなく、保険料も安いと言われています。たしかに税金は年間数万円は安いですし、自賠責の保険料もわずかではありますが安いです。
では、任意保険の保険料も本当に安くなるのでしょうか。
ここでは、軽自動車と普通車の保険料をいくつかのパターンで見積もりして、比較してみたいと思います。
<目次>
- 軽自動車は型式が違っても料率クラスは同じ
- 軽自動車の保険料の相場は
- 小型車・普通車と軽自動車の保険料を比較
- なぜ軽自動車は保険料が安いのか
- 軽貨物車の保険料も安いのか
- 軽四輪乗用車も型式別料率クラスになる予定
自家用の軽自動車には「自家用軽四輪乗用車」と「自家用軽四輪貨物車」がありますが、このページでは主に「乗用車」のほうの保険料について書いていきます。
軽自動車は型式が違っても料率クラスは同じ
自家用普通乗用車や自家用小型乗用車は、「型式別料率クラス」が採用されています。料率クラスというのは保険料を計算するために使われる数字。それが型式別に設定されているのです。
1契約あたりの保険金支払いが多い型式はこの料率クラスの数字が大きくなり、保険料は高くなる仕組みです。そのため、同じ車名でも型式が違えば、保険料も変わるということが出てきます。
ですが、軽四輪乗用車や軽四輪貨物車には、「型式別料率クラス」が採用されておらず、用途車種ごとに料率クラスが設定されています。
つまり、自家用軽四輪乗用車であれば、車名や型式が違っても料率クラスはすべて同じなので、補償内容等の条件が同じであれば、保険料も同じになるのです。(自家用軽四輪貨物車も同様)
軽自動車の保険料の相場は
上記のとおり、軽自動車の料率クラスは一律(乗用と貨物では違いあり)なので、車種が変わっても他の条件が同じであれば保険料も同じです。
しかし、等級や走行距離、補償内容などによって大幅に保険料が変わります。
例えば、等級が20等級であれば、新規契約の半分以下の保険料になりますし、車両保険を付帯するだけで保険料が2倍以上に跳ね上がることもあります。
さらに運転者年齢条件によっても3倍前後の差が生じることもあります。
そのため、条件次第で保険料は年間1万円代になるケースもありますし、20万円を超えるケースもあるので、軽自動車の保険料の相場はいくらかというのは一概には言えません。
とはいえ、それではなんの参考にもなりませんので、ここではソニー損保の公式サイトで、いくつかのパターンで見積もりをした結果を紹介します。参考にしていただければと思います。
見積もり条件
- 保険期間:2018/3/1〜2019/3/1
- ホンダ NBOX(JF3/初度:H30/1
- 使用目的:主に家庭用(※通勤用含む)
- 年間走行距離:11000km以下
- 記名被保険者の年齢:40歳
- 免許証の色:ブルー
- 運転者限定:なし
<補償>
- 対人・対物賠償:無制限
- 人身傷害(車内のみ補償型):3000万円
- 車両保険金額:205万円(免責5-10)
- 対物超過費用特約(自動付帯)
- 弁護士費用特約あり(自動車事故のみ)
見積もり結果
上表は新規契約(6等級)の見積もり結果。軽自動車の保険料を、年齢条件と車両保険の有無を変えて保険料を出してみました。
ご覧のとおり、年齢条件や車両保険有無の違いでかなり保険料が変動します。車両保険を付帯することで2倍以上の保険料になりますし、年齢条件の違いだけで3倍以上の開きが出ています。
ソニー損保では、新規契約の年齢問わず補償は、車両保険が付帯できないので見積もりできなかったのですが、仮に付帯できたとすると、40万円近くの保険料になりそうです。
こちらは10等級の見積もり結果です。10等級になると45%割引が適用されていますので、新規の保険料と比較するとかなり安くなっていますね。
年齢問わず補償で車両保険付帯したもの以外は10万円以下の保険料となりました。
小型車・普通車と軽自動車の保険料を比較
次に軽自動車の保険料と比較するために、日産「ノート」(小型乗用車)と、トヨタ「ヴェルファイア」(普通乗用車)で見積もりをしてみました。
同条件で見積もりをするために、型式と初度登録は車両保険金額を同額(205万円)で設定できるものを選びました。
ノート(型式HE12/初度H29年1月)
ヴェルファイア(型式GGH20W/初度H23年1月)
どちらの車種も軽自動車よりも、だいたい25〜35%ほど高くなりました。
分かりにくいと思いますので、
新規契約の30歳以上補償の部分だけ抜き出して比較すると、こんな感じになります。
この他にも販売台数の多い車種を中心に見積もりしてみましたが、どれも軽自動車よりも保険料は高くなりました。
よって、「基本的に普通・小型車と比較して軽自動車の任意保険の保険料は安い」ということが言えそうです。
ただ、型式:ZP16(BMWのMINI)など、ごく一部ではりますが料率クラスがとても低く、軽自動車よりも保険料が安くなる型式もあるので注意が必要です。
なぜ軽自動車は保険料が安いのか
自動車保険の保険料は過去の事故や保険料支払い等のデータに基づいて決められています。
1契約あたりの保険金支払額が多い条件であれば保険料は高くなりますし、逆に少なければ保険料は安くなるのです。
軽自動車は普通車に比べて、ボディーもコンパクトで馬力も小さいですし、搭乗人数も少ないことが多いことから、事故があっても損害は少なく等の傾向があるのでしょう。
1契約あたりの保険金の支払い額が少ないため、保険料も安くなるわけですね。
軽貨物車の保険料も安いのか?
ここまで「自家用軽四輪乗用車」の保険料について触れてきましたが、軽自動車にはもう1つ「自家用軽四輪貨物車」もあります。こちらの保険料はどうなんでしょうか。
軽四輪乗用車と同様の条件で、新規契約の30歳以上補償、車両保険なしで貨物車のほうの見積もりをしたところ「50210円」でした。
前掲のとおり、軽四輪乗用車は「47810円」でしたので、貨物車のほうが保険料は高くなりました。
- 軽四輪乗用車⇒47810円
- 軽四輪貨物車⇒50210円
やはり、貨物車のほうが業務に使われることが多く、走行距離も長くなる傾向があるでしょうから、事故のリスクが乗用車より高いのでしょう。そのため、軽四輪乗用車よりも保険料が高いのかと思います。
とはいえ、小型・普通乗用車と比べれば保険料は安いです。よって、貨物車も含めて軽自動車の保険料は比較的安いと言うことができるでしょう。
軽四輪乗用車も型式別料率クラスになる予定
正式な時期は未定ですが、遅くとも2020年1月1日までには、自家用軽四輪乗用車にも型式別料率クラスが導入される予定です(軽四輪貨物車は対象外)。つまり、自家用普通乗用車や自家用小型乗用車と同様に、型式ごとに料率クラスが設定されることになるのです。
おそらく、普通・小型乗用車に比べて、軽自動車の保険料が安くなる傾向は変わらないかとは思いますが、型式によっては保険料が高くなるものも出てくる可能性あります。
最終更新日:2018年2月6日