損保協会北海道支部(三輪隆司委員長=損保ジャパン日本興亜)は、2014年10、11月に道内で発生したエゾシカとの衝突事故による車両保険の保険金支払額の調査結果を取りまとめた。それによると、2か月間で発生した支払件数と金額は、745件、3億5641万円となり、前年度と比べて2倍以上に増加したことが分かった。
引用元:保険毎日新聞
鹿との衝突事故、こんなに多いとは知りませんでした。季節によっても件数は大きく変わるとは思いますが、たった2ヶ月で745件ってことは、1日平均10件以上も起きているってこと。
しかも、これって車両保険が支払われている件数です。車両保険を付帯していない人もいますし、付帯していてもエコノミー型では補償されません。よって、実際はこの数字よりもかなり多くの事故が起こっているということですね。
1事故あたりの平均保険金支払額は47万8千円。大きな動物との衝突ですから、車の損害も大きくなることも多いようです。
ちなみに、エゾシカは群れで行動する動物で、1頭が道路を渡ってしまうと、それに続いて何頭も道路に出てきてしまう傾向があるうえに、車のライトや走行音にビックリして、その場に止まってしまうことが多いため、そのまま轢かれてしまうってことが多いらしく、
特に餌が多い春や繁殖期には行動が活発化するため、4~5月、10~11月は、それに伴い事故も増えてしまうんだそうです。
エコノミー型の車両保険は動物との衝突は補償対象外
さて、上記の「車両保険を付帯していても、エコノミー型では補償されない」という部分に疑問を持っている人もいるかと思います。
エコノミー型は、「当て逃げ」や「単独事故」を補償対象外として保険料を安くするもの。この件は、車対動物の事故なわけだから、それには該当せず補償されるのではと思いがちです。
でも、実は違うんですね。冷たい話ですが、動物って法律上は「物」として扱われるのです。
つまり、鹿との衝突は「車が物にぶつかった」ということになり、単独事故と解釈されてしまうため、エコノミー型では補償されないわけです。
動物が多い地域に住んでいる方で、エコノミー型にされている方は、このあたりも頭に入れたうえで、検討する必要があるかもしれませんね。
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