JAFのロードサービスを不正利用したとして中古車販売業者らを提訴

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JAFのレッカー車
先日(2018年6月7日)、JAFの不正利用に関するこんなニュースが出ていました。

事故車や故障車を移動させるJAF(日本自動車連盟)の無料ロードサービスを不正利用し、商品の中古車運搬を繰り返したとして、JAFが大阪府内の中古車販売業者らに計約5100万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。 引用元:YOMIURI ONLINE

提訴されたのは、中古車販売業を営む経営者や従業員5名と販売会社。

5人の被告のうち1人は2012年以降の5年間に816回、一番少ない被告でも145回も出動要請。搬送経路は主に修理工場からディーラーやオークション会場などへの行き来がほとんどで、いずれもJAF会員に入っていれば無料となる15km以内の搬送だったそうです。

普通はロードサービスの利用の頻度ってあまり高くないですよね。実際、JAFのデータでは会員1人あたりの平均出動要請は6年に1回なんだそうです。

JAFが主張しているとおり、使用頻度と搬送経路から、この被告達が事業目的でJAFを利用していたのは明らかです。

自動車保険のロードサービスは、契約車両のトラブル時に使えるものなので、こういったことは起こりません。ですがJAFの場合、個人会員になっていれば、その人が乗っていた車のトラブルであれば、無料対応の対象となります。

そのため、実際は会員が乗っていた時のトラブルでなくても、その会員が現場にいて、自分も乗っていたとか、使おうと思ったら動かないとか言ってしまえば、サービスを受けられてしまうわけです。そこを悪用したと考えられるのが今回の件です。

ちなみに今回のケースが無料サービス対象外となることを明記してあるのか気になって、JAFの規約を確認したところ、当然ながら、ロードサービス利用約款の第6条に記述がありました。

JAFの個人会員および家族会員は、別表1「ロードサービス対象車種」に該当する車両であれば、運転中のほか同乗中であっても、また、車両の所有者名義に関係なく、マイカー、会社の車、レンタカーを利用している場合であっても、JAF会員としてJAFロードサービスを利用することができます。

ただし、バス、タクシー等の事業用自動車に旅客として乗車している場合、対象の自動車が事業者の商品もしくは商品用のものである場合、または業として行う駐車・保管等により預かった自動車もしくは陸送対象の自動車である場合は、JAFロードサービスを利用することはできません。

816回利用したとされる被告の弁護士は、JAFから苦情がなかったし、契約更新もできていたのだから不正利用には当たらない、と主張しているみたいですが、どうでしょうかね。

現状JAFでは、迅速な処理を優先し、要請があれば原則出動して会員を疑うことなくサービスを提供しているそうです。

でも、この訴訟の結果が、「JAFが事前にちゃんと確認しなかったし、注意もせずに更新させているわけだから、不正利用に当たらない」ってことになると大変ですね。

今後、JAFとしては不正を事前に見抜くために、いちいちその場で確認が必要になり、普通に利用している会員達の利便性が損なわれる可能性があります。

また、こういうことをやる会社は他にもいるんでしょうし、これが見逃されるとなれば、当然費用がかかっているわけで、入会費や更新代のアップにも繋がりかねません。

そういった意味でも、今回のこの訴訟の結果がどうなるか、気になるところです。

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